ブログ
秋の果物を薬膳で選んでみよう!

こんにちは、伊藤薬局です。
秋の食材の3トップといえば
芋、栗、カボチャですが
他にも柿や梨なども美味しい季節。
そこで今回は
『秋の果物の薬膳で選んでみよう!』
というテーマでお話しようと思います。
まず、代表的な秋の果物を
薬膳的に見てみましょう。
===========
<梨>
・五味:甘、微酸
・五性:涼
・帰経:肺、胃
・期待される効果:
身体の余分な熱を取り除いて潤す
肺や喉を潤す、痰を取り除く、
咳、喉の炎症、二日酔い、
心を落ち着かせる
・食す時の注意点:
氷砂糖で煮たシロップは咳止めとして
古くから民間療法で使われてきた。
体を冷やす作用が強いので
冷えタイプは生での食べすぎに注意。
<柿>
・五味:甘、渋
・五性:寒
・帰経:心、肺、大腸
・期待される効果:
身体の余分な熱を取り除いて潤す
喉の渇きを止める、咳、口内炎
微熱、二日酔い
・食す時の注意点:
体を冷やす作用が強いので
冷えタイプは生での食べすぎに注意。
干し柿にすると微温に変わる。
<ぶどう>
・五味:甘、酸
・五性:平
・帰経:脾、肺、腎
・期待される効果:
気血を補う、筋や骨を強化する、利尿
めまい、眼精疲労、貧血、心悸、不眠、
むくみ、高血圧、神経衰弱
・食す時の注意点:
平性のため、冷えやすい人にもお勧め。
血を補う作用もあるので、潤い不足や
ドライアイにも。
<りんご>
・五味:甘、微酸
・五性:涼
・帰経:脾、胃、心
・期待される効果:
熱を取り除き津液を生じさせる、
肺の熱を取り除く、便秘、口内炎
食欲不振、胃腸の働きを良くする
発熱、多汗、のどの渇き
・食す時の注意点:
体を冷やす作用が強いので
冷えタイプは生での食べすぎに注意。
シナモンを加えてコンポートにする
など加熱して食すのがおすすめ。
<みかん>
・五味:甘、酸
・五性:温
・帰経:肺、胃
・期待される効果:
気の巡りを良くする、胃の働きを改善する、
体内の余分な水分を取り除く、内臓を温める
膨満感、しゃっくり、げっぷ、吐き気、胸やけ、
食欲不振、下痢、咳、痰
・食す時の注意点:
皮(陳皮)や筋は漢方としても用いられる。
筋の部分は、痰や咳をしずめ、
気血のめぐりを良くする働きがある。
<栗>
・五味:甘
・五性:温
・帰経:脾、胃、腎
・期待される効果:
脾胃の働きを高める、下痢、気管支炎、
腎の機能を高める、筋・筋肉・足腰強化、
血流改善、止血作用、脳の活動を促す、
・食す時の注意点:
食物繊維やミネラルが豊富なので、
腸内環境を整え、便秘改善にも。
補気・補腎作用に優れ、体を温め、
老化予防としての効果も大きい。
===========
中医学の世界では、秋は空気が乾燥し
それが邪気となって肺を傷めるとされています。
また、大腸、皮膚、鼻、喉とも
深く関係しているので、
こういった部位にも影響が出やすいのも特徴です。
今年も秋とはいえ気候が不安定で
まだ暑い日も多いため、
体内に熱が籠りやすい状態に。
そこに秋の燥邪が入ってくると
鼻や喉を侵されやすく
空咳、鼻づまり、咳鼻の風邪といった
症状が出やすりのです。
そこで活躍するのが梨、柿、りんご。
体の余分な熱を取り除き、体を潤し、
咳を鎮める作用に優れているため
熱+乾燥の解消によく用いられます。
ぶどうも潤す作用がありますが
血を補う作用に優れているので
眼精疲労、不眠、精神が不安定な時
などに用いるのがおすすめ。
また、補腎効果もあるので
秋に適度に食すようにすると
冬の養生に繋がります。
栗も同じく補腎効果に優れており
温性なので、冷えやすい方や
気温が下がって寒くなる頃~冬に
体をサポートしてくれます。
気を補い、血の巡りを良くする作用や
脾胃の働きを強くし、整腸作用もある
優れた食材なので、スイーツだけでなく
栗ご飯やスープなどお料理としても
取り入れていきたい食材です。
そして、寒くなると気を付けたいのが
気の巡りが滞りやすくなるということ。
気が停滞すると
やる気が起きない、いつもだるい、
食欲不振、消化不良などの症状や
女性の場合は生理痛やPMSなどが
起こりやすくなります。
みかんには、気の巡りを良くする
作用があるので、これらの症状の
改善をサポートします。
果実だけでなく、皮(陳皮)は
漢方でもよく使われるので
お茶やお鍋などの薬味に使うのもおすすめです。
このように、季節、気候や体の状態に
合わせて食材を選ぶのが薬膳の基本。
身近な食材の効能を知って
取り入れ、続けることで効果を実感できます。
美味しく楽しく、むりなく養生していきましょう。
Archive
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2019年9月