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「清心蓮子飲」|秋バテの疲れからくる頻尿・排尿トラブル

こんにちは、伊藤薬局です。
ようやく秋らしい気候になってきましたが、「秋バテ気味」「イライラしたり体や精神的に疲れている」「トイレが近などの膀胱トラブル」といったお悩みが多くなっています。
今回は、秋バテからくる膀胱炎のような症状や、過活動膀胱にもよく使われる『清心蓮子飲(せいしんれんしいん)』をご紹介します。
どうして秋バテと膀胱トラブルが関係するのか不思議ですよね。
それは気候とも大いに関係しているからなんです。
今年は猛暑の期間が長く、10月に入っても日中は30度前後の日もまだ多く暑い日も多いですよね。
涼しくなってきても、まだ夏の暑さの影響があるため、体の内部には余分な熱がこもっている状態です。
つまり、熱を体外にうまく放出できないことに加え、朝晩は気温が下がって寒暖差もあるため、秋バテになりやすく、膀胱トラブルの引き金にもなりやす、という理由です。
中医学の視点でみると、これは暑さの影響により、体の「気(エネルギー)」と「陰(血や血以外の体内水分)」が失われていることが原因と考えます。
体の元気を作り出す素(もと)が不足し、余分な熱や老廃物が発生しやすくなる、ということ。
例えば、体を車体、気をガソリン、陰をエンジンオイルに置き換えてイメージしてみましょう。
熱い時は、当然、車体やエンジンも熱を持ちますし、ガソリンやエンジンオイルも当然熱くなっているので消耗が早くなりますよね。
そうなると、エンジン(心の役割)はオーバーヒート気味になるし、ラジエーター(膀胱の役割)に不純物(余分な水分)が溜まりやすくなる。
こんな状態です。
そして、この状態が続くと
1. 気の不足により、膀胱をしっかり支える力が弱くなってトイレが近くなる
2. 陰の不足により、喉がかわく、ほてりを感じる
3. 「心」(精神活動)の働きが過剰になり、イライラする、落ち着かない、眠りが浅いなどの症状が出る
4. 膀胱など下腹部に「熱」と「湿(余分な水分)」が溜まり、頻尿、排尿時の違和感や痛み、熱感を感じる
といった症状が出やすくなります。
こうしてみると、体の疲れと排尿トラブルは繋がりがあることが分かりますよね。
つまり、清心蓮子飲は、ガソリン(気)とエンジンオイル(陰)を補充し、同時にエンジン(心)を冷やしてラジエーター(膀胱)を掃除して不要物を排除する、整備士さんのような漢方。
主な成分と働きをまとめてみました。
・蓮子(れんし):心の熱を冷まし、精神を落ち着かせる
・人参(にんじん):気を補い、元気を出す
・黄耆(おうぎ):気を補い、体を強くする
・麦門冬(ばくもんどう):陰を補い、体を潤す
・地骨皮(じこっぴ):陰が不足した時に発生した熱を冷ます
・茯苓(ぶくりょう):余分な湿を尿として出す
・車前子(しゃぜんし):膀胱の熱を尿として出す
・甘草(かんぞう):薬同士のバランスをとる
このように、清心蓮子飲は、「不足している状態(虚)」と「過剰な状態(実)」が混在している症状のバランスを整える漢方といえます。
今の気候も、ちょうど残暑に秋の乾燥した涼しい空気が混ざり合った複雑な状態。
体は気候の影響を受けやすいので、こういった反対の性質によるトラブルは、バランスを整えるためにも漢方の力を借りつつ、養生に努めましょう。
清心蓮子飲は、当店でも取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。
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