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水だけではNG?日本の夏を乗り切る「梅」と酸味の力

こんにちは、伊藤薬局です。
梅雨も終盤に入ると、暑さも本格的になってきます。
猛暑、酷暑に備えて暑さ対策はしていているつもりでも、気が付くと
「しっかり水分補給をしているのに、なんだか体がだるい…」
「冷たいものを飲みすぎて、食欲が落ちてしまった…」
といった症状になっていることはありませんか?
そこで今回は、夏の健康維持のポイントともいえる
「酸味」をテーマにお話します。
夏の健康管理のポイントとして重要なのは
汗をはじめとする体の水分ですよね。
中医学では、体にとって必要な水分や体液のことを
「陰液(いんえき)」と呼びます。
汗はこの陰液が形を変えたものであり、
体外に出るときには、水分だけでなく「気」も
一緒に漏れ出ると考えるのが中医学の特徴です。
気と陰液が不足することで現れやすいのが
・強い疲労感やだるさ(気の不足)
・喉の激しい渇き、皮膚や粘膜の乾燥(陰液の不足)
・食欲不振、熱っぽさ
といった症状です。
水分を補給することはもちろん大切ですが、
ただ水を飲むだけでは体には意味がありません。
それどころか、せっかく補った水分がまた汗として
どんどん漏れ出てしまい悪循環に陥ることも。
その体に必要な水分をを繋ぎとめる役割をするのが「酸味」です。
酸味には、「収斂(しゅうれん)作用」といって、
気や陰液や栄養を必要以上に外へ漏れ出るのを防ぎ
体内に留める働きがあります。
食事や水分補給の時に酸味を摂ることで、
開いた毛穴をキュッと引き締め、
汗を過剰にかきすぎないように働きかけるのです。
では、酸味を摂るにはどんな食材が良いのかというと
一番おすすめしたいのは、やはり「梅」。
梅は日本の気候風土に根ざし、私たちの健康を支えてきた
素晴らしい食養生アイテムといえますよね。
薬膳の視点から見ても、梅には優れた効能があります。
【梅の主な薬膳効能】
・生津止渇(しょうしんしかつ):体に豊かな潤いを生み出し、喉の渇きを癒す
・斂肺渋腸(れんぱいじゅうちょう):肺の機能を高めて咳を鎮め、腸の調子を整える
慢性的な下痢や軟便を抑える
四気/五味:温/酸・渋
帰経:肝・脾・肺・大腸
夏の紫外線や暑さでダメージを受けやすい呼吸器(肺)や
消化器(脾)をしっかりサポートしてくれる作用もあるので
日常の食養生として、朝食に梅干しを1粒食べたり、
お水や炭酸水に少し梅酢や蜂蜜梅を合わせたりして、
こまめに酸味を取り入れるようにしましょう。
ちなみに、お隣の韓国や中国では、夏になると「五味子(ごみし)」
という果実が非常によく使われます。
甘味・酸味・辛味・苦味・鹹味(塩味)の5つの味を持つことから
その名がついたと言われ、強い酸味を持ち、お茶やジュースとして
親しまれてています。
日本ではあまり馴染みがない五味子ですが
漢方に用いられることも多く、その代表が「生脈散(しょうみゃくさん)」です。
その名の通り
「脈を生き返らせる(元気を呼び戻す)」
という意味があり、気や陰を消耗しやすい夏に
ぴったりな処方と言えるでしょう。
構成されている生薬は、この3つ。
1. 人参(にんじん):
「気(エネルギー)」を強力に補い、疲労困憊した体に元気を充填する
2. 麦門冬(ばくもんどう):
「陰(体液・潤い)」を補い、乾燥した体を内側から潤して熱を冷ます
3. 五味子(ごみし):
強力な「収斂(しゅうれん)」作用により、人参と麦門冬で補った気と潤いを
体内にしっかりとじ込め、汗とともに漏れ出るのを防ぐ
シンプルな構成ながらも
「補う」と「漏れを防ぐ」ことで
夏のダメージからの回復をサポートします。
「日々の食事に気をつけていても、どうしても疲れやだるさが取れない」
「すでに夏バテ気味で、食欲が全くわかない」
など、本格的な夏を迎える前の夏バテ予防としても大変おすすめです。
今回は「酸」をテーマに食材と漢方の両面でお話しましたが
本格的な暑さに備え、是非「酸味」を意識して取り入れてみてください。
また、生脈散についてご質問や、体調不良などのご相談がございましたら
お気軽に当店にお問合せ下さい。
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